一覧へ戻る施術情報

フィラーとコラーゲンブースターの違い:レディエス・スカルプトラ

すぐ満たすフィラーとコラーゲンを育てるブースターの違い

フィラーとコラーゲンブースターの違い:レディエス・スカルプトラ

満たす施術と育てる施術。結果が現れる時間が違います

💡 ひと目でわかるポイント
・フィラー(ヒアルロン酸)は、注入した瞬間にボリュームを満たす「即時ボリューム」の施術です。
・コラーゲンブースター(レディエス・スカルプトラ)は、自分の体がコラーゲンをつくるよう促す「遅延型の再生」の施術です。
・一言で言うなら:へこんだ箇所を今すぐ満たしたいならフィラー、顔全体が下に下がった感じならコラーゲンブースター。
・レディエス(CaHA)は即時ボリュームとコラーゲン刺激を兼ね、スカルプトラ(PLLA)はボリュームより生成に重きを置き、数ヶ月かけて徐々に満ちていきます。
・フィラーは溶解酵素で戻せますが、コラーゲンブースターに戻す薬はありません。

二つが混同されやすい理由

どちらも注射で入れ、どちらも「顔が満ちて見える」という結果を語るからです。カウンセリングでも「スカルプトラもフィラーではないんですか?」とよく聞かれます。

しかし両者は体の中でしていることが根本的に違います。フィラーはそれ自体がボリュームとなって空間を占め、コラーゲンブースターは薬剤自体は徐々に消えながら、その場所に自分の組織がつくったコラーゲンを残します。そのため、効果が現れる時間も、維持の仕方も、トラブル時の対処法も変わってきます。

フィラー(ヒアルロン酸)とは

フィラー(HA filler、ヒアルロン酸フィラー、필러、玻尿酸填充、玻尿酸填充劑)は、体内にも存在するヒアルロン酸をジェル状にして、へこんだ部位に直接満たす施術です。ヒアルロン酸は水分を強く引き寄せる性質があるため、注入した瞬間にその分のボリュームが生まれます。

核心は即時性可逆性です。施術台から降りた瞬間に変化が見え、形が気に入らない場合や副作用が生じた場合は、ヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸分解酵素)で溶かすことができます。この「消しゴムがある」ことがフィラー最大の安全装置です。

主にほうれい線、目の下のくぼみ、あご先や鼻などの輪郭、唇のボリュームのように位置と形がはっきりしている箇所に使われます。製品によって約6〜18ヶ月持続し、時間が経つと体内の酵素によって分解されます。

コラーゲンブースター(レディエス・スカルプトラ)とは

コラーゲンブースター(バイオスティミュレーター、collagen biostimulator、胶原蛋白再生剂)は、薬剤が直接ボリュームをつくるのではなく、真皮内の線維芽細胞(コラーゲンをつくる工場のような細胞)を刺激して、自分のコラーゲンを新しくつくらせる注射剤です。代表的なものが二つあります。

レディエス(Radiesse、CaHA、カルシウムハイドロキシアパタイト)は、カルシウム成分の微小球がジェルの中に浮かんだ構造です。ジェルが即時のボリュームを出し、その後微小球が線維芽細胞を刺激してコラーゲンを誘導します。Yutskovskayaらの研究では、希釈レディエスの施術後8ヶ月・12ヶ月の時点でI型・III型コラーゲンが有意に増加し、エラスチンの生成も4ヶ月目から観察されました。

スカルプトラ(Sculptra、PLLA、ポリ乳酸)は、手術用の溶ける糸に使われてきた成分で、即時のボリュームはほとんどなく、数ヶ月かけてコラーゲンを徐々に満たしていきます。Goldbergらの臨床では、PLLA施術の3ヶ月後にI型コラーゲンが約65.5%増加しました。スカルプトラのFDA臨床は3週間隔で最大4回のプロトコルで行われ、最終施術後最大25ヶ月まで効果が維持されたと報告されています。

ヒアルロン酸フィラーが即時にボリュームを満たす仕組みと、コラーゲンブースターが線維芽細胞を刺激して新しいコラーゲンをつくる仕組みを比較した断面図
ヒアルロン酸フィラーが即時にボリュームを満たす仕組みと、コラーゲンブースターが線維芽細胞を刺激して新しいコラーゲンをつくる仕組みを比較した断面図

フィラーは空間を占め、コラーゲンブースターは組織自身に満たさせます。

比較表

項目フィラー(HA)レディエス(CaHA)スカルプトラ(PLLA)
主成分ヒアルロン酸カルシウムハイドロキシアパタイトポリ乳酸
作用原理水分を抱えて空間を満たす即時ボリューム+コラーゲン刺激コラーゲン生成の誘導が中心
効果の発現即時即時+2〜3ヶ月から再生効果6〜8週から徐々に
効果の持続約6〜18ヶ月約12〜18ヶ月最大25ヶ月の報告
主な適応ほうれい線、目の下、輪郭デザインフェイスライン・首・手背の弾力、広範囲のたるみ顔全体のボリューム不足、こけた印象
施術時間15〜30分20〜30分20〜30分
ダウンタイムむくみ・内出血が2〜5日むくみ・内出血が2〜5日むくみ・内出血が2〜5日
推奨回数1回、必要に応じて微調整1〜2回4〜6週間隔で2〜4回
可逆性あり(酵素注射)なしなし
費用要カウンセリング要カウンセリング要カウンセリング
フィラーは施術直後が最大で徐々に減少する一方、コラーゲンブースターは数ヶ月かけて効果が上昇する時間経過グラフ
フィラーは施術直後が最大で徐々に減少する一方、コラーゲンブースターは数ヶ月かけて効果が上昇する時間経過グラフ

同じ「満たす」という目標でも、時間のグラフの形がまったく違います。

どちらが自分に合うか

フィラーが向いている方

  • ほうれい線や目の下のように「ここがへこんでいる」が明確な方
  • あご先や鼻先などの輪郭デザインを希望する方
  • 2〜3週間以内に大事な予定があり、早い結果が必要な方
  • 初めての注射施術で、戻せるという安心感が欲しい方

コラーゲンブースターが向いている方

  • 特定のしわよりも、顔全体が下に下がった感じが悩みの方
  • 痩せてから急に老けて見えると言われるようになった方
  • 繰り返しの施術よりも、数ヶ月〜1年単位のケアを希望する方
  • 首・デコルテ・手背のような広い面積の肌質を改善したい方(主に希釈レディエス)

スカルプトラとレディエスで迷う場合は、最初にどれだけのボリュームが必要かが判断基準になります。ボリュームの喪失が大きく初めからある程度の支えが必要ならレディエス、急な変化を避けて自然に徐々に満たしたいならスカルプトラが向いています。

組み合わせという考え方

実際の臨床では、どちらか一つを選ぶより役割を分けることが多くあります。コラーゲンブースターで顔全体の土台をしっかりとつくり、難しい箇所や精密な輪郭が必要な部分をフィラーで仕上げるという形です。HIFUや高周波などのリフティング機器との併用も可能ですが、熱を使う施術は注入物に影響しうるため、順序と間隔の設計が必要です。

DIOREの臨床方針

当院ではコラーゲンブースターをご提案する際に「今月すぐに見える変化」をお約束しません。コラーゲンの再生は生理的な過程で時間を要し、事前に期待値を正確にすり合わせておかないと「効かなかった」という誤解につながるからです。逆に、結婚式や大事な予定が間近に迫っている方には、時間のかかるコラーゲンブースターをお勧めしません。

もう一点、コラーゲンブースターは戻す薬がないため、注入層と量を控えめに設定します。足りない分は次回で補えますが、入れすぎた分は戻しにくいからです。

ソウルでレディエスやスカルプトラを検討するなら

レディエスとスカルプトラは、希釈比率・水和時間・注入層によって結果が大きく変わる施術です。ソウルでカウンセリングを受ける際は、正規品を使用しているかに加えて、ボリュームの喪失を顔全体の視点で評価して設計しているかを確認してみてください。江南駅近くのDIOREクリニック(DIORE Clinic, Seoul)では、美容皮膚専門の医療スタッフが顔全体のボリューム分布を先に評価したうえで、フィラーとコラーゲンブースターの役割を分けて計画し、海外からの患者さま向けの外国語相談窓口も運営しています。

よくある質問

Q1. スカルプトラは施術後いつから効果が見えますか?

通常6〜8週から変化を実感し、3〜6ヶ月かけて徐々に満たされていきます。施術直後は注入した水分で一時的に満ちて見え、数日で落ち着きますが、これを「効果が消えた」と誤解される方が多くいらっしゃいます。本当の効果はその後から上がっていきます。

Q2. フェイスラインにはレディエスとフィラーのどちらが良いですか?

フェイスラインが崩れた原因がボリュームの喪失と肌のたるみなら、弾力まで同時に改善できるレディエスが有利です。あご先や目の下を精密に整える目的ならフィラーが適しています。両方を組み合わせることもよくあります。

Q3. コラーゲンブースターもフィラーのように溶かせますか?

できません。酵素で溶かせるのはヒアルロン酸フィラーだけで、レディエスとスカルプトラには分解酵素がありません。だからこそ、注入量と深さを最初から控えめに設計することが重要です。

Q4. 30代前半でもコラーゲンブースターは必要ですか?

コラーゲンは20代後半から年約1%ずつ減少するため、30代前半で始めることに意味がないわけではありません。ただしこの時期は、保湿やバリアケア、紫外線対策のほうが大きな差を生むことが多いです。実際にボリュームの喪失が見られるかを評価してから判断することをおすすめします。

Q5. 施術後に顔をマッサージする必要はありますか?

スカルプトラは薬剤が均一に広がるよう施術後数日間のマッサージをすすめることがあり、フィラーは逆に形がずれる可能性があるため触らないのが原則です。製品や施術部位によって異なるため、必ず施術を受けた医療機関の案内に従ってください。

まとめ

フィラーとコラーゲンブースターは競合するものではなく、役割の違う道具です。「どこがへこんでいるか」が明確ならフィラー、「全体的に痩せてしまった」が問題ならコラーゲンブースターが出発点です。どちらを先に行うかは顔全体のボリューム分布を見て判断すべきで、順序を間違えると費用をかけた割に結果があいまいになりかねません。

あわせて読みたい記事:ONDAリフティングの原理と効果スキンボトックスの原理と効果

ℹ️ 本コンテンツは一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診察に代わるものではありません。施術の結果は個人の皮膚状態によって異なります。正確な診断と相談は美容皮膚専門の医療スタッフにご相談ください。

参考文献

  • Goldberg D, et al. Injectable poly-L-lactic acid: collagen stimulation data (Avelar LE, et al. 再引用、Journal of Cosmetic Dermatology. 2025).
  • Yutskovskaya Y, Kogan E, Leshunov E. A randomized, split-face, histomorphologic study comparing a volumetric calcium hydroxylapatite and a hyaluronic acid-based dermal filler. J Drugs Dermatol. 2014.
  • Sculptra Aesthetic FDA Summary of Safety and Effectiveness Data (P030050/S002).
  • The Role of Calcium Hydroxylapatite (Radiesse) as a Regenerative Aesthetic Treatment: A Narrative Review. Aesthetic Surgery Journal. 2023;43(10):1063.
디오레의원 医療チーム
美容医療
医師紹介